春先に購入したASLフィンランド軍モジュール「Hakkaa Päälle !」のシナリオを、まだひとつしか触れていなかったので、久しぶりにソロプレイ。今回選んだのは、ASL173「Father Sunshine」シナリオ。1944年6月29日、継続戦争終盤、激戦地ポルティンホイッカ(Portinhoikka)の十字路に陣取るソ連第45親衛歩兵師団+第27戦車連隊の部隊に対し、フィンランド第50歩兵連隊が突撃砲部隊の援護を得て、深夜に攻めかかるというシナリオである。
フィンランド軍には、鹵獲したソ連ISU-152重突撃砲が登場するが、あいにく「Hakkaa Päälle !」にもフィンランド軍用ISU-152カウンターは用意されていない。なにしろフィンランド軍が鹵獲したISU-152は、戦争を通じてたった2輌のみ、しかも戦闘に投じられたのは1輌だけ、この6月29日の戦闘だけだそうだ。この戦闘経緯は、イカロス出版の「WWII イギリス・フランス・イタリア・フィンランド・ハンガリーの戦車」か、元記事が掲載されている「ミリタリー・クラシックスVol.55」か、梅本弘氏の「流血の夏」(特に341-342ページ)をご参照くだされ。
WWIIイギリス・フランス・イタリア・フィンランド・ハンガリーの戦車
- 作者: 斎木伸生,白石光,瀬戸利春,田村尚也,宮永忠将,吉川和篤
- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2018/03/05
- メディア: 大型本
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さてソロプレイ開始。第1ターン表。先攻フィンランド軍には、ISU-152、III号突撃砲(Sturmi)✕2、T34/76(Sotka)✕2、T-26C、BA-20装甲車が登場するが、そのうち5輌が、6ターン表までに、主兵器が無事なまま、地図南端から盤外突破すれば勝利である。また初期配置されたソ連軍のT34/85戦車を撃破すれば、1輌突破と同じくカウントされる。とりあえずフィンランド軍は、様子見とばかりに、Sturmi突撃砲を先頭に、車体遮蔽(ハルダウン)したT34/85に接近。Sturmiの初弾は、運良くT34/85に命中したが、撃破ナンバーに1足らず、衝撃止まり。T34/85の乗員も、良くこの衝撃に耐え、冷静さを保った。
第1ターン裏。衝撃に耐えたT34/85は、車体遮蔽したまま砲塔を旋回させ、果樹園の向こうに現れたSturmi突撃砲を射撃。これが見事命中し、突撃砲を撃破した。
第2ターン表。フィンランド軍第二波、Sotka✕2輌が地図北端から登場。ポルティンホイッカの十字路(多分、地図盤37P5の十字路)近くで、やはり車体遮蔽しているT34/85に接近する。また2輌目のSturmi突撃砲も、西側のT34/85に接近したが、これまた臨機射撃一発で撃破されてしまった。しかしこの犠牲を払いつつも、ISU-152は、T34/85の側面に進出。さらに第3ターン表には、フィンランド軍第三波として、T26C、BA-20が来援している。
第3ターン裏、T34/85に対するISU-152の防御射撃が、なんとDR2で致命的命中!T34/85は、2倍の砲威力で装甲を叩き割られ、あえなく撃破・炎上した(ちなみに史実では、ISU-152はヒエタネン中尉指揮)。
一方、東のポルティンホイッカの十字路には、ソ連援軍の新たなT34/85が1輌+対戦車ライフル装備のエリート歩兵分隊が駆けつけている。十字路を守るT34/85に対しては、フィンランド軍9-2戦車指揮官(多分、史実でのバイノ・ミッコラ少佐)が乗るSotka戦車が正面から撃ち合い、その間にもう1輌のSotkaが側面に迫ったが、これが射撃DR12を出し、主砲故障。続く回復フェイズでもdr6を出し、完全に主砲が使用不能となってしまった。ミッコラ少佐のSotkaも、T34/85に命中弾は与えているが、正面装甲が撃ち抜けず苦戦中(APCR弾使用も宣言したが、必要なナンバーが出なかった。DR3以下では無理も無い)。
このまま正面からT34/85✕2輌と殴り合えば、そのうち力負けするのは確実。だったら生きている車両があるうちと……第5ターン表、ISU-152がいち早く盤外へ突破。ミッコラ少佐のSotkaも、T34/85からの臨機射撃をかわしつつ、射撃位置から離れ、南下を開始した。
第5ターン裏。突破せんとするT26C軽戦車に向かって、ソ連対戦車ライフル班が接近するが、フィンランド軍軽機関銃分隊が臨機射撃を加え、DR3でこれを除去。しかし追いすがるT34/85が、ミッコラ少佐のSotka戦車の背後に迫り、これを撃破。乗員は脱出に成功したので、ミッコラ少佐も無事だろうが、西側で突破しようとしたBT-20装甲車も、T34/85の追撃をかわせず、あえなく撃破。フィンランド軍は、最後の第6ターン表で、残るT26C軽戦車の盤外突破は確保されたものの、2輌突破+1輌撃破では勝利条件に及ばず、ソ連軍の勝利と相成った(それもまた史実通り)。
今回は、ISU-152のラッキーヒットが出たが、さすがT34/85は堅い。フィンランド軍は、むしろSotkaを囮にして、砲威力に勝るSturmi突撃砲を側面に送り込むべきか。いやT34/85なら、正面からのSotkaの砲威力なんざ無視してもいいか。もちろん地形の厄介さもあって、足が速いはずのBT-20装甲車も、おいそれとは突破できないかなと。まあ「流血の夏」を読んだうえで、継続戦争の雰囲気を味わうには良いシナリオかも。これからも、戦記本で読んだ戦闘をシナリオから見つけ出してプレイするのが良さそう。プレイバランスなんて知らんわ。トーナメント・プレイヤーじゃないしね。
ちなみにこちらが、先日入手した車両カード。少し厚めの紙に印刷すると、良い感じだし、砲兵器による射撃解決もかなりスムーズだった。まあ、もしもこの数値が間違っていても気がつかないという問題もあるが、とりあえず信頼するしか……(^_^;)