Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」On to Bayeux AAR

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昨日は、Karter氏と3ヶ月ぶりの自宅会。自分もソロプレイ含めてウォーゲームをプレイするのは2ヶ月ぶりだった。とりあえずカンを取り戻すために「GTS:The Greatest Day:Sword, Juno, and Gold Beaches」の「On ti Bayeux」シナリオを初対戦。ドイツ装甲教導師団と、イギリス第50歩兵師団+独立機甲旅団の遭遇戦を扱ったシナリオである。

Karter氏が受け持った装甲教導師団は、4つの攻撃部隊がランダムに進撃路に配されるが、今回は東に1部隊(IV号突撃砲1.5中隊)があるのみで、西に3部隊(IV号戦車大隊、装甲捜索大隊、装甲擲弾兵大隊)が固まり、中央の進撃路にはゼロ、という配置となった。

開始1100ターン、先手ドイツ軍は、勝利条件地点のひとつであるConde-sur-Seulles村を中心としてIV号戦車大隊(4ユニット)を広く展開し、各中隊をヘッジロウヘクス(隣接しないと目視できない)に入れたうえでボカージュ・マーカー(火力、防御修整などが上昇)を乗せた。東のIV号駆逐戦車隊は、稜線に接した103高地、102高地に陣取り、こちらも鉄壁の構え(ユニットの防御修整-4、稜線で装甲防御-2、高地で装甲防御-2、合計-8防御修整)。イギリス第22機甲旅団が進入してくる近辺には、前衛部隊としてプーマ装甲車などを配置して、イギリス軍の攻撃を待ち構えた。

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対するイギリス軍は、鉄壁過ぎる東の進撃路を諦め、盤中央へ部隊を展開。艦砲射撃でドイツ軍戦車に目潰しをくらわせ、視界を遮った隙に、シャーマン・ファイアフライ部隊を前進させた。こちらは終盤まで射撃の応酬が続いたが、どちらも決定的なダメージは与えられなかった。またこのファイアフライ隊に対しては、Tilly-sur-Seulles村に陣取ったsFH13/1(15cm)自走砲がしきりと弾幕を浴びせ大活躍。直接命令チットでも行動できるフォーメーション・ユニットの便利さが際立っていた。

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1100ターン終盤に登場したイギリス第22機甲旅団は、圧倒的な物量にモノを言わせて、ドイツ軍前衛のプーマ装甲車中隊を撃破。しかし1300ターンの艦砲射撃が(艦船ユニットが10個もあったのに)1発しか当たらなかったため、ドイツ軍の射撃ゾーンを減じられず、ちまちまとした前進に。ヘッジロウに立て籠もったIV号戦車中隊は隣接しないと目視・射撃できないため、危険は承知で接近していったが、イギリス軍の射撃はさっぱり当たらず、逆にIV号戦車に次々ステップロスさせられていった。後からよく考えれば、弾幕だけ浴びせて、迂回突破すれば良かったような……

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それでもイギリス軍は1500ターン、ドイツ軍対空砲の傘の外にあったEllon村近辺のSd.kfz251/9(7.5cm砲装備)装甲車中隊めがけて戦闘爆撃機を召喚。ステップロスを与えた後、戦車隊でこれを撃破し、後方に隠れていた自走迫撃砲部隊へ肉薄。ボカージュに立て籠もった装甲擲弾兵に対しても射撃を加え、Ellon村へ圧力を加えた。1700ターンには縦隊モードになったM3スチュアート✕2個中隊が、Ellon村の脇をすり抜けて、後方の勝利条件地点、La Senaudiere村へ走れるか……といったあたりで、時間切れ、お開きとなった。

シナリオは、ランダム配置とは言え、やはりドイツ軍は早めに北上してイギリス軍の進入路を塞ぎつつ、ボカージュなり高地なりに立て籠もるのが良いなと。今回、早めに動き出したドイツ軍は、歩兵部隊もヘッジロウヘクスでボカージュに入り、さらには拠点(Improved Position)も築いて、最終的な防御修整を-5にするなど、艦砲射撃に対する備えも万全だった。これでは単発の射撃で崩れるはずもなく、と言って強襲しても、複合(戦車にもダメージを与えられる最強の火力種別、恐らくパンツァーファウスト装備を表している)強襲力によって返り討ちは必至、という手を出したくない厄介な状態になっていた。やはり相手より先に緊要地形を確保するのが大事、ということだ。

しかし以前なら深夜2時までプレイしてシナリオを完遂できたものを、昨夜は19時に夕食を摂ったら、もうプレイ意欲が萎えてしまった。来月でウォーゲーマー歴も35年になるが、体力的にも、確実に引退状態が進行しているようだ……

【参考文献】「ドイツ軍事史 その虚像と実像」

ドイツ軍事史――その虚像と実像

ドイツ軍事史――その虚像と実像

 

ウォーゲーム雑誌「コマンドマガジン」や「シックスアングルズ」に掲載されていた、大木毅氏の戦史記事を収録した「ドイツ軍事史」を購入。自分も、その手の雑誌はいくつか購入していたが、買わなかった号もあり、処分したものもあるので、こういった形で書籍化してくれた方がありがたい。

収録記事は、七年戦争からナポレオン戦争第一次大戦から第二次大戦へと多岐にわたる。個人的に興味深かったのは「スモレンスク戦再評価」「ヴェルキエ・ルーキの死闘」「クルスク戦の虚像と実像」あたりか。特に「OCS:Smolensk」は、この記事にもあるような最新の知見を取り入れたウォーゲームだと思うので、ちょうど良い参考記事になるかと。

【Grand Tactical Series】「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」O Canada Solo-Play AAR

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引き続き「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」シナリオ検証作戦を継続中。今回はD-Day当日のジュノー海岸上陸から翌日日没までの戦闘を扱う「O Canada(初めて知ったがカナダ国歌の名前だとか)」をソロプレイしてみた。

タイトル通り、主役はカナダ第3歩兵師団である。このシナリオでは上陸戦闘から始まり、地図盤中央を横切る連絡道路Bを確保しつつ、地図南端にあるカルピケ飛行場近くまで進出すれば勝利となる(盤上のオレンジ色のマーカーがカナダ師団の目標地点)。対するドイツ軍は、海岸近くに第716歩兵師団の部隊が散らばっているだけで、地図盤の南半分はほとんど部隊が存在していない。

このスッカスカの戦区に駆けつけるのがドイツ第12SS装甲師団だが、D-Day当日の昼間に登場するのは3ユニットだけで、主力の第25装甲擲弾兵連隊(パンツァー・マイヤーことKurt Meyer大佐指揮)はD-Day日没後に到着する。翌D-Day+1日には、IV号戦車装備の戦車大隊も到着するため、本格的な反撃は6月7日からになる(盤上の青いマーカーが第12SS装甲師団が確保すべき地点)。

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まずは6月6日0700ターン、海上チットによる第一波上陸からスタート。しかし荒れた海面状況によってDD戦車2中隊が全滅。海岸障害物を除去する役目の第79機甲師団の工兵戦車も2ステップロス、独立工兵中隊も2中隊が全滅と、カナダ師団は手痛い損害を被った。それでも第一波が上陸し終わった時には、抵抗拠点レベルを0に、海岸障害物レベルは2までに低下させている。

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さらにカナダ第7歩兵旅団はWn33陣地を撃破し、カナダ第8歩兵旅団が突破口レベルを0に低下。0700ターン終了時には、全突破口啓開となっている。第48海兵コマンドは早くも海岸を脱し、縦隊モードで地図盤西端へ向かっている。

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0900ターン、カナダ師団はWn27、Wn28、Wn28b、Wn29、Wn30、Wn31陣地を順調に撃破。いまだ海岸の地雷原が除去しきれていないため混雑しているが、内陸へ向けて進出し始めた。ドイツ軍は、ひたすら後衛ユニットを捻出し、なんとかカナダ軍の進出を遅らせようと試みている。

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1100ターン。派遣ポイントが枯渇してきたカナダ師団は一休み。Wn26陣地を潰しつつ、内陸のドイツ軍に接近していく。 海岸には後続の第9歩兵旅団も揚がっている。

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1300ターン。このターンに海岸が掃討(Clear)され、海岸オーバーレイが外された。

カナダ第8歩兵旅団は、写真右上に見えるDouvres-la-Delivrande(49.012)付近の陣地に迫ったが、ここには陣地+歩兵中隊スタックが2つ存在し、どちらも2ステップ、部隊練度は高く、しかも地雷原に囲まれたうえ、要塞ヘクスに塹壕を築くという恐るべき鉄壁ぶりである。なおかつ陣地も歩兵中隊も自主指揮下(Auto-Command)ユニットという変わり種。

カナダ師団は、この強固な陣地含めて東に第8旅団を向かわせ、西には第7旅団、後続の第9旅団を中央に進めることにしたが、どうもこの選択はあまり良くなかったようだ(理由は後述)。

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1500ターン。西端では海兵コマンドが側面からドイツ軍戦線へ斬り込み、第9歩兵旅団も徐々に前線へ上がってきている。Douvres-la-Delivrandeの陣地周辺では、独立工兵中隊が地雷原を啓開中。陣地へはM10駆逐戦車、対戦車砲なども射撃を浴びせているが、なにせ要塞ヘクス+塹壕+陣地の防御修正は酷く、10面体ダイスで「0」を出すしか被害が出ないような状況である。

ドイツ軍戦線後方では、唯一の第12SS装甲師団擲弾兵中隊が、必死に後衛を捻出し、二次防衛線のようなものを構築している。後衛とは言え一応、最良の複合火力、しかも射程が3あるため、カナダ師団もおいそれとは近づけないだろう。またここまで第12SS装甲師団は、指揮・派遣ポイントを溜めに溜めまくっているので、翌日はフォーメーションチット連発の反撃が試みれるはず。

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1700ターン。カナダ師団はようやく派遣ポイントを充填し、第7・第8歩兵旅団フォーメーションチットで攻勢に出た。第7歩兵旅団は、独立重火器中隊の支援もあって、Ste-Croix-sur-Mer(69.010)近辺のドイツ軍を撃滅。地図盤中央に陣取っていた対戦車砲スタックも潰し、海兵コマンドと共に地図盤西側の第716歩兵師団ユニットをほぼ掃討した。

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一方の第8旅団は、La Delovrande(47.010)近辺の陣地を潰したものの、例の要塞陣地には苦戦中。一応、二度にわたる強襲によって北の要塞の歩兵中隊は全滅させたが、陣地ユニットはなお健在である。

ただし良く考えれば、この2つの陣地はカナダ師団の勝利条件にはまったく関係ない。もしかするとカナダ師団はこれを放置して内陸に進み、陣地の処理は1900ターンに上陸してくるイギリス第51歩兵師団第153歩兵旅団に任せればいいのだろうか?と気づいたところで仕切り直したくなり、ここでソロプレイを終えた。

恐らくそうなのだ。キャンペーンゲーム的に考えても、イギリス第51歩兵師団は6月11日以降、東に進んでイギリス第6空挺師団戦区に入るのだから、東寄りに上陸するはず。主役のカナダ師団は、もっと西寄りに展開し、ドイツ軍の増援が来ないD-Day当日のうちに内陸深くまで進出する方が良いのだろう……というあたりが分かったのが今回の収穫か。※追記:D-Day当日のジュノー海岸上陸後の戦況図を発見。やはりLa Delovrandeの陣地をスルーしている。

No. 48 (Royal Marine) Commando - Wikipedia, the free encyclopedia

今回は第12SS装甲師団の反撃までたどり着けなかったが、恐らく指揮・派遣ポイント満タンの状態で6月7日朝から暴れまくるはずなので、そのあたりも楽しめそうだ。マップ1枚のシナリオだが、まる2日間の戦闘を完遂するには、リアルタイムでも2日ぐらいかかるかもしれない。そういった部分も見定めたうえで、いずれ再挑戦してみよう。

しかし上陸から内陸侵攻まで通してプレイすると、まるまる1個師団、または1上陸海岸戦区を統轄するだけで手一杯な気がした。キャンペーンシナリオでは連合軍プレイヤー4人(3つの上陸海岸戦区と空挺師団担当)を揃え、それに対応してドイツ軍も4人揃えたうえで、合計8人でプレイしろと書いてあるが、たしかにうなづける。

【Grand Tactical Series】「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」The Race for Caen AAR

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昨日はFORGER氏と 「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」の「The Race for Caen」シナリオを対戦。こちらは先日ソロプレイした「To the Sea」の拡張版・本格版とも言うべきシナリオで、6月6日のD-Day当日、上陸直後のイギリス第50歩兵師団による内陸侵攻と、それに対するドイツ第21装甲師団の反撃を扱っている。1300ターン開始、2100ターンにイギリス第6空挺師団チットが引かれたら、その時点で即座に終了してしまう。

勝利条件は両軍それぞれ3つあり、どれが高得点になるかはランダムに決定される。今回自分はイギリス軍を担当したが、最も得点が高い第一勝利条件はStp17陣地とWater Twr砲台の占拠となった。ドイツ軍の勝利条件は、海岸沿いを走る連絡道路Aに第21装甲師団ユニットを入れるか、ペガサスブリッジを取るか、61高地を確保するかなので、そのあたりを警戒しつつ、作戦を行うことに。

上写真は1300ターン終了時だが、第8歩兵旅団は早くもStp14陣地を強襲で落とし、最優先目標Water Twr砲台攻略に向かっている。一方、第185歩兵旅団もStp17陣地に隣接したが、この陣地、周囲をぐるりと地雷原で囲まれているため、強襲をかける前に「地雷原から出られるか」チェックが必要。その地雷原を啓開するためにシャーマン・クラブ戦車中隊も駆り出されている。とにかくシナリオ開始時、イギリス軍は海岸にうじゃうじゃいる状態なので、どのユニットをどの順番でどちらへ振り向けるか、その交通整理に悩まされた。

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1500ターン終了時。Water Twr砲台には、運良くシャーマン・ファイアフライ戦車中隊の砲撃が命中。強襲も難なく成功し、すでに第8歩兵旅団が占拠している。海岸では、イギリス第41海兵コマンドがWn21陣地を攻略中だが、こちらは地雷原に阻まれ苦戦中。

ドイツ軍は、増援の第22装甲連隊第1大隊(IV号戦車中隊✕3)をペガサスブリッジ方面に投入。また反対側の地図盤西側には自走迫撃砲などに支援された装甲擲弾兵大隊に尾根(Ridge)を越えさせた。その動きだけを見るなら、ドイツ軍の狙いはペガサスブリッジか海岸の連絡道路Aのように思える。しかし地形の関係で、増援の投入先はだいたい決まっており、勝利条件がどうであろうと、増援はだいたいこの形で登場すると思われる。問題はどちらに重心をかけて攻めてくるかだ。

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1700ターン終了時。このターンのドイツ軍は、序盤から連続活性化し、押せ押せムード。ペガサスブリッジ方面ではファイアフライ戦車中隊(IV号戦車より射程が長いためアウトレンジ攻撃される可能性がある)を弾幕で目潰しし、その間に距離を詰めて討ち取る策に出たものの、射撃はいまひとつ振るわず。

ドイツ軍は地図盤西側に、さらなる増援の第22装甲連隊第2大隊(鹵獲フランス製戦車中隊✕3)も投入し、先鋒の擲弾兵中隊を海岸まで1Km(2ヘクス)の地点まで進出させた。これがM3スチュアート戦車中隊+砲撃によって制圧された対戦車砲中隊スタックめがけて強襲を試みたものの、武勇チェック(強襲ができるかどうかの士気チェック)に失敗し、前進停止。

総じてドイツ軍は、ペガサスブリッジと海岸線、双方で攻勢をかけており、どちらが第一勝利条件かはよく分からない。もっとも第21装甲師団の指揮ポイント、派遣ポイントは潤沢なので、ブラフとしての攻勢をかけるだけの余裕もあるようだ。

これに対しイギリス軍は、海兵コマンドの攻撃によって海岸沿いのWn21陣地、Wn24陣地を占拠。連絡道路Aを確保したうえで、進出してきた装甲車や自走砲ファイアフライとM10アキリーズ駆逐戦車中隊で撃破した。第185歩兵旅団は、何度かStp17陣地に強襲をかけたが、いまだ落ちず。

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1900ターン終了時。ドイツ軍はペガサスブリッジ方面でさらなる攻勢に。擲弾兵中隊が空挺陣地に強襲をかけ、ペガサスブリッジへ隣接。IV号戦車隊も、ファイアフライに隣接する距離まで肉薄したが、なかなか射撃が当たらない。ここまで攻めてくるということは、ドイツ軍の第一勝利条件はペガサスブリッジの確保なのだろうか?

また海岸近くの装甲擲弾兵中隊は、今度こそ武勇チェックに成功したものの、M3スチュアート戦車の機会射撃をくらってステップロスし、強襲から退却。支援の装甲車たちもイギリス軍戦車に次々討ち取られ、攻撃力が弱まっていった。後続の鹵獲フランス戦車中隊も、スピットファイア戦闘機の航空攻撃を食らい、ファイアフライ戦車と対戦車砲の射撃ゾーンに足止めされている。

一方イギリス軍第185歩兵旅団は、ようやく強襲に成功し、Stp17陣地を確保した。

最終2100ターンは、海上チット=艦砲射撃から始まり、ペガサスブリッジに迫った擲弾兵中隊が砲撃一発で除去された。そのまま早い段階で第6空挺師団チットが引かれてしまい、シナリオエンド。ドイツ軍の第一勝利条件はペガサスブリッジだったそうだが、これを確保できず、イギリス軍勝利となった。

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2100ターン終了時のペガサスブリッジ方面。双方の戦車大隊が睨み合っているが、お互い弾幕を撃ち合っての目潰しに終始し、どちらもさしたる損害は負わなかった。 

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2100ターン終了時の海岸線。車輌支援を失った平地の擲弾兵たちに、ファイアフライ、M10アキリーズ、対戦車砲が迫るという酷い構図。これがキャンペーンゲームなら、続く夜間ターンのうちに街や村ヘクスに入っておきたいところだ。

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この地域は、東西に尾根(茶色いヘクスサイド)が走っているが、これがある意味、防壁のように機能している。尾根を越える道路は、防壁の出入り口たる門であり、いち早く確保すべき目標なのだ。今回はその確保が遅れてしまい、ドイツ軍の海岸線進出を許してしまった。

シナリオとしては、午前中から始めて午後6時頃終了という1日サイズ。 プレイするたびに勝利得点が異なるため、盤面が同じでも勝ったり負けたりするはず。そういうあたりは面白いし、例会などで1日じっくり遊ぶには良いシナリオだと感じた。

【Grand Tactical Series】「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」On to Bayeux Solo-Play AAR

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今日は「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」の「On to Bayeux」シナリオをソロプレイ。このシナリオは、D-Day+3日の6月9日、ようやくこの戦域に到着したドイツ装甲教導師団による反撃と、内陸へ向かおうとするイギリス第50歩兵師団らの遭遇戦を扱ったもの。両軍はそれぞれ秘密裏に目標地点を決め、そこへ向かって攻撃を行う。装甲教導師団には4つの攻撃部隊があり、3つの攻撃ルートのどこに配置するかはダイスによってランダムに決定される。

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今回ドイツ軍は、まず右翼に装甲捜索大隊が、中央に第130装甲連隊第2戦車大隊(IV号戦車✕4)が配置された。写真ではマーカーを外してあるが、2つの攻撃部隊とも縦隊状態で道路上を北上している。ちなみに他師団のIV号戦車ユニットは火力(ユニット左上の数値)6だが、この師団のIV号戦車中隊は火力7という高評価を得ている。部隊練度(ユニット右上の数値)も7と極めて高く、ドイツ軍にとっては頼もしく、連合軍にとっては面倒な存在となっている。

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対する第50歩兵師団も、第8機甲旅団のシャーマン・ファイアフライを従え、南下中(こちらも縦隊マーカーを外してある)。ファイアフライ中隊も火力7、IV号戦車に優る射程4を誇るが、あいにく第8機甲旅団には指揮官がおらず、あまり期待はできない(フォーメーション・チットを入れても、指揮官がいないため第2アクションが行えない)。今回は、上写真に見えるConde-sur-Seulles村、Ducy-Ste-Marguerite村が、ともにドイツ軍の目標地点の可能性があるため、この地域の防衛に徹することにした。

イギリス軍は目標地点として、防備の厚いTilly-sur-Seulles村、Lingevres村を諦め、一番奥まった位置にありながらも手薄なLa Senaudiere村を目指すことにした。そちらには最初のターンに増援として登場する第22機甲旅団、第56歩兵旅団を向かわせる予定。

一方のドイツ軍も、すでにイギリス軍が抑えている二カ所を奪うのは難しいとみて、シナリオ開始時にガラ空きのEllon村を目標地点とし、これをシナリオ終了時まで保持することを考えた。

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さて開始1100時ターン。最初のチットは、Gerhardt戦闘団と決められているため、左翼に配置されたこれを一気に北上。目標地点のEllon村を早速、確保した。また同じく左翼に置かれたIV号駆逐戦車半個中隊✕3と、7.5cm砲装備のハーフトラック中隊を前衛として広く展開。このターンにイギリス第22機甲旅団と第56歩兵旅団が登場する増援ヘクスCに隣接するヘクスをすべて射撃ゾーンに収めてこれを封鎖。イギリス軍の登場箇所を少し離れた登場ヘクスBに変更させた。

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結果、1100ターン終了時はこのように。地図盤北端から湧いて出たイギリス第22機甲旅団、第56歩兵旅団は、IV号駆逐戦車の広い射撃ゾーン(射程4)に入れず、増援登場ヘクスから一歩踏み出した程度で終わっている。第8機甲旅団も、艦砲射撃の弾幕に隠れてIV号戦車たちの間合いに踏み込んだ。

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続く1300時ターン。先手を取ったドイツ軍は、第8機甲旅団のファイアフライに猛射を浴びせ、早くも2ステップロスを負わせた。ファイアフライ中隊が減少面になると、ただのM4シャーマンとなって戦力が急低下するため、イギリス軍にとっては痛い損害だ。

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このシナリオでは派遣(Dispatch)ポイントによるチット購入ルールは省き、指揮ポイント2を払えばチットが買える。イギリス軍は、第22機甲旅団フォーメーション・チットを購入。弾幕でIV号駆逐戦車を目潰し、一気に間合いを詰めたものの、第2アクションで射撃をする余力=指揮ポイントはあまり無い。第22機甲旅団フォーメーション・チットは毎回カップに投入したいので、2指揮ポイントを余らせる必要があるのだ。イギリス軍は指揮ポイントをケチりながらも、IV号駆逐戦車1個、7.5cm砲ハーフトラック1個を撃破してEllon村へ迫った。

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1300時ターン。今度はイギリス軍が先手を取り、第22機甲旅団フォーメーション・チットから開始。満を持してファイアフライ8個中隊がIV号駆逐戦車に射撃を浴びせたが、これがなんと全弾外れ!たしかにIV号駆逐戦車は当たりにくい(防御修正-4)が、ヒットひとつ与えられないとは……。これにより後続の第56歩兵旅団も(IV号駆逐戦車が射撃ゾーンを展開しているため)前進できず、仕方なく快速M3スチュアート中隊が敵射撃ゾーンを迂回してEllon村の西へ進出した。

対してドイツ軍も、手薄なLa Senaudiere村に自走対空砲などを配し、歩兵に陣地を築かせて、M3スチュアートの滑り込み勝利を防ぐ構えである。これを見たイギリス軍は自軍勝利を半ば諦め、Ellon村の奪取によってドイツ軍勝利を防ぎ、ドローに持ち込むことを目指した。

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1500ターン、1700ターンは、お互い弾幕の撃ち合いに躍起になり、なかなか射線が通らない。それでもイギリス軍はEllon村の自走迫撃砲を潰し、ボカージュに立て籠もる歩兵に艦砲射撃を浴びせたが、村を奪うには至らず。最後の1ユニットとなったIV号駆逐戦車も頑強に抵抗している。イギリス軍の虎の子、航空攻撃(修正無しの7複合火力)✕2も、さしたる戦果を上げずに終わり。

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1900ターン。イギリス軍は、ようやく最後のIV号駆逐戦車を潰したものの、時すでに遅し。Ellon村に立て籠もる歩兵部隊までは除去できず、ドイツ軍勝利となった。

後から考えると、イギリス軍は頑強なEllon村をスルーして、後方のLa Senaudiere村を攻めるべきかとも思ったが実際どうだか。とりあえず毎ターン、第22機甲旅団チットは必須。できれば第8機甲旅団チットも入れたいが、チット2枚分、4指揮ポイントを余らせるのもなかなか苦しい。

ドイツ軍も、Ellon村を守り切れたが、配置される部隊が変われば状況が変わってしまう。今回はIV号駆逐戦車が活躍したが、Gerhardt戦闘団だけだったら結構厳しいだろう。また今回、Scholze戦闘団は後方に留守番として残し、イギリス軍目標地点に陣地を築かせたが、これで良いものかどうか。一応、M3スチュアートによる滑り込み勝利は防いだが、後方に残すと前線の攻撃力が足りない気もする。

まあ、このシナリオ自体「The Greatest Day」で最もフリー・フォームだと明記されているし、ドイツ軍の攻撃ルートをいろいろ組み替えて楽しめば良いかと。良い練習シナリオだと感じた。

【戦国群雄伝】「関八州古戦録」天正壬午の乱 Solo-Play AAR

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今年は久しぶりに大河ドラマを初回から見続けている。「真田丸」も先日の放送で天正壬午(じんご)の乱が終わったが、この戦いを扱ったウォーゲームはプレイしたことが無い。しかしよくよく考えてみると、2007年に購入した戦国群雄伝シリーズ「関東制圧」の同人エキスパンション「関八州古戦録」に天正壬午の乱シナリオがあったのだ。カウンターも購入直後に作ってあるし、ちょうど良い機会なのでソロプレイしてみることにした。

※以下、武将名の後に能力レーティングを表記。★★★と★★=総大将。★=大将。能力値は戦力・野戦修正・行動力。野戦修正は最高4。行動力も最高4。

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シナリオは、天正十年六月第三週ターン、北条氏直(★★★323)が滝川一益(★★234)を襲った神流川の合戦から強制的にスタートする。北条軍は総勢5万2千(52ユニット、122戦力)、滝川軍は1万8千(18ユニット、36戦力)と一方的だが、ある意味、儀式的な幕開けなので気にする必要も無い。

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合戦の結果、滝川軍はすべてステップロスして敗北。碓氷峠を越えて信濃に逃げ込み、この後、盤端から退場していった。北条軍は、わずか6ステップロスに留まり、部隊を分散させて厩橋、箕輪、松井田、国峰といった滝川方の城を奪取。そのまま信濃へなだれ込んだ。

信濃には真田昌幸(★344)2千(2ユニット、6戦力)がいるが、これはまだ中立。攻め寄せる北条軍にも「どうぞどうぞ」とばかりに刃向かいはしない。しかし待てそれは昌幸の罠だ。真田は、七月第二週以降、反北条方が望むターンから反北条方として行動できる。だったら先に潰してしまえ、とも思うのだが、今回は信濃に守備隊を残して真田に備えることにする。

北条方の勝利条件は、十月第一週ターンまでに甲斐の城をすべて奪取するか、ユニット除去や城獲得による得点で反北条方を上回ればいい。史実の北条軍はこの後、北信濃へ向かって上杉景勝(★★333)軍と対峙したが、わざわざそれをやる必要はない。基本的に上杉軍1万8千(18ユニット、54戦力)は越後・春日山城に留まっており、北条方が上野・信濃に守備隊を10ユニット残しておかなかった場合、反北条方として南下してくる。そのため5万2千あった北条軍は、上野に1万(10ユニット)を残し、4万2千の軍勢として信濃に入っている。

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北条軍は、徳川方に降った旧武田家臣・依田信蕃(★334)の小諸城を攻略。依田ユニット自身は徳川方と合流するため城を捨て、高遠城から来た徳川軍・酒井忠次(★334)と共に甲斐へ入った。北条軍は、大軍にモノを言わせて小諸城を落としつつ、総大将・氏直自身早くも甲斐に進入。また七月第一週ターンから行動を開始した徳川家康(★★344)も、遠江から甲斐・新府城へ到着している。

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北条・徳川両軍は史実通り、新府への入り口、若神子城で対峙。実際には正面決戦を避け、小競り合いで終わったようだが、今回は北条軍にまともに決戦を挑ませてみた。

ということで七月第三週ターン、第二ステージ、若神子合戦の火蓋が切って落とされた。北条軍3万1千(信濃にも守備隊を残してきたため31ユニット、79戦力)、徳川軍1万7千(17ユニット、51戦力)と、兵力的には北条軍有利だが、野戦修正は氏直2、家康4のため、ダイス修正的には徳川軍有利である。

しかし5ラウンドに及んだ合戦の結果、徳川軍敗北。本多正信を含む6ユニットが討ち死にし、新府へ敗走することとなった。だが北条軍も、31ユニット中29ユニットまでステップロスされ、満身創痍。首の皮一枚残しての辛勝である。北条軍は、とりあえず若神子城へ前進してこれを落とし、失ったステップの補充に努めることとなった。

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と、翌七月第四週ターン、ここぞとばかりに表裏卑怯な真田昌幸が反北条方として行動開始。あえて負けた徳川方につき、恩を売る気か。北条氏房(★313)六千(6ユニット、13戦力)が守る小諸城へ攻めかかった。わずか2ユニットの真田隊だが、野戦修正差は±3。この差が恐ろしいほどモノを言い、氏房隊はあれよあれよと言う間にステップロスし、逆に真田隊への反撃はまったく当たりもしない。上野=信濃間の補給ルートを塞がれては、甲斐の北条軍主力が補給切れになってしまう。あわてて内藤綱秀(★323)が甲斐から引き返してくるが、彼もまだ合戦後の補充が間に合っていない状況である。

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北条氏房も城に居るうちに補充を……と思ったが、なかなかステップが回復しない。とうとう真田昌幸は、内藤隊を蹴散らし、さらには氏房隊を上野まで追い払ってしまった。これにより「信濃に北条方の守備隊10ユニット」という条件が崩れてしまい、春日山の上杉勢が行動開始。たぶん真田昌幸から「信濃を守るためにお力添えを……」とか何とか頼まれて丸め込まれたのだろう。上杉景勝は、真田昌幸と合流すべく信濃へ南下し始めた(真田隊は6戦力しかないため、レベル1の小諸城が奪えない=城攻めには最低でも城レベル✕10戦力が必要)。

一方、甲斐では徳川軍が高い行動力を活かし、全戦力を回復。いまだ若神子城にて回復を続ける北条軍主力に対し、二度目の合戦を挑んだ。

八月第二週ターン、第三ステージ、第二次若神子合戦は、徳川軍1万1千(11ユニット、33戦力)、北条軍2万7千(27ユニット、57戦力)で始まった。今回も兵力的には北条軍有利だが、北条軍の半数はいまだステップロスしたままである。これが響いて、4ラウンドの合戦後、北条軍が敗北。4ユニットを失って若神子から撤退していった。徳川軍も裏返らなかったユニットは2個だけであり、今回は徳川軍が首の皮一枚で勝った形である。

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これを見た真田昌幸は、小諸城・平原城の攻略を上杉軍に任せ、北条軍主力の連絡線を断つ位置に進出。退却中の北条軍にしてみれば「げげーっ、孔明真田!」というところか。翌八月第三週ターン、連絡切れにより、北条軍主力はそれぞれ士気が1ずつ落ち、すでに合戦による退却で最低士気の-4まで落ちていた北条綱成隊6千が全滅、除去された。戦わずして相手の兵力を削ぐとは、さすが真田、やり方が汚い(笑)。北条軍は、北に上杉・真田、南に徳川に挟まれ、万事休す。ソロプレイもここで終わりとした。

真田丸 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

真田丸 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

 

感想。北条・徳川の戦力差が絶妙で面白いシナリオだった。北条軍が甲斐に持って行ける兵力は3万程度。これを徳川軍が全力で迎え撃つと、どちらが勝ってもおかしくないバランスになっている。だったら北条軍は、わざわざ上野=信濃経由ではなく、いったん小田原に戻り、駿河の徳川方の城を落として連絡線を繋ぎ、甲斐に入ればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、そこは特別ルール。駿河へ侵攻してしまうと、徳川方10ユニットが追加で出てきてしまう。しかも「上野・信濃に北条方の守備隊10ユニットが無い」なら、越後から上杉軍も出てくるわけで、如何ともしがたい。相模から山中に連絡線を繋いで直接、甲斐・岩殿山へ向かうルートもあるが、うーん……

今回は真田の嫌らしさも光ったが、やはり北条軍はこれを先に潰すべきか。しかし真田隊が3レベルの上田城に籠もれば、城攻めに30戦力は必要になる。強襲すれば真田昌幸にがつがつとダメージを喰らうし、地道に包囲するしかない。仮に上田城が落とせたとしても、その後で甲斐まで奪える時間があるかどうか。対する反北条方は、総大将同士の合戦は避け、有能な武将(真田昌幸酒井忠次あたり)による野戦で北条の兵力をちくちく削ぐ方が良いのか。もしまたプレイする機会があるなら、そういったアプローチで挑戦してみたい。

しかし大河ドラマでも描かれたが、北条が信濃に入った時は北条につき、北条が甲斐に入った後で徳川につく、という真田の身の振り方は、このシナリオでも良いタイミングだなあと。結局、徳川・北条は和睦してしまうが、天正壬午の乱だけを切り取るなら、その身の処し方も正しいと思えてしまった。うん。

【Grand Tactical Series】「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」To the Sea Solo-Play AAR

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昨日に続いて「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」の「To the Sea」シナリオをソロプレイしてみた。この導入シナリオは、D-Day当日の夕刻に行われたドイツ第21装甲師団の反撃を扱っている。史実では、ブロニコウスキー大佐率いる戦車隊が海岸へ向かう途中でイギリス軍の射撃を受けて被害甚大、という結果に終わったがさてどうなるか。用いる地図盤はハーフマップサイズ、1700時ターンに始まり1900時ターンに終わるため、2ターンのみのシナリオだが、ドイツ軍は2個戦闘団+海岸防備部隊、イギリス軍は2個歩兵旅団+1個戦車旅団+コマンド部隊+海軍と、結構な戦力が集まっているため、プレイのし甲斐はありそうだ。

6月6日1700ターン時点で、ソード海岸に揚がったイギリス第50歩兵師団先鋒は、すでにヴィエヴィル(Bieville-sur-Orne ヘクス37.022近辺)まで進出している。しかしヘクス29.013の海岸砲台とStp17陣地が落ちておらず、海岸線のWn21、Wn24陣地も健在のため、隣のジュノー海岸とは連結できていない。

ドイツ軍の第一勝利条件は、この海岸線に沿って走る連絡道路Aの確保だ。幸い海岸へ通じるマップ西側の道路はいまだドイツ軍の勢力下にあり、早速最初のチットとしてRauch戦闘団のフォーメーションチットを選択。38(t)対空戦車中隊を一気に海岸の連絡道路Aまで突っ走らせ、道路の打通を狙うイギリス軍コマンド部隊の前に立ち塞がらせた。その他のRauch戦闘団ユニットも同時に北上。交通の要になりそうな47.015、46.015の尾根(Ridge)あたりを確保した(その代わり第二勝利条件のペガサス・ブリッジ奪取は諦めた)。

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続いて第21装甲師団チットが引かれたので、イギリス軍先鋒が籠もるヴィエヴィルへ攻撃開始。まずは面倒そうなシャーマン・ファイアフライ弾幕を張り、IV号戦車中隊✕3が尾根越しに射撃。さらに弾幕の目つぶしが効いているうちにと、捕獲フランス戦車中隊も間合いを詰めたが、これらの攻撃がさっぱり当たらない。それでもドイツ軍は、一応イギリス歩兵中隊1個を除去し、ヴィエヴィルを包囲する形に持ち込んだ。

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こちらが1700ターン終了時。イギリス第50歩兵師団は、海岸砲台、陣地の攻略を進めつつ、ペガサス橋とヴィエヴィルの間隙を埋めるため、第1ノーフォーク大隊、第2ワーウィック大隊(黄色い帯ユニット)を前線に上げている。これら紫火力のイギリス軍ユニットは、師団チットの第1アクションでも射撃可能なので、できるだけ敵に隣接させた方が良いと思って。

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またヴィエヴィルに居る第27独立機甲旅団のシャーマン・ファイアフライは、ドイツ軍から猛射を浴びたものの、無傷でこのターンを乗り切っている。

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こちらが1900ターン終了時。ブロニコウスキー戦闘団は、なんとかファイアフライ中隊1個を撃破し、ヴィエルヴィルの街中へ擲弾兵中隊を突入させた。すでに砲撃で制圧されていたイギリス軍歩兵中隊が強襲で除去され、対戦車砲も下車・展開する間もなく昇天。ヴィエヴィルはドイツ軍の手に落ちた。しかしペガサス橋~ヴィエルヴィル間の平原では、III号戦車中隊がM4シャーマンと歩兵の共同攻撃によって除去されている。またイギリス軍は、ヘクス29.013の海岸砲台とStp17陣地双方を落としており、そちらの部隊も夜間のうちに前線に向かってくるのだろう。

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こちらは海岸へ向かう西側道路の争奪戦。史実ではイギリス第9歩兵旅団長がD-Day当日に戦死したため、こちらに配置された第9歩兵旅団ユニットにも指揮官が無く、ほぼ何も出来なかった。しかしやはり史実通り、この戦区に配置された第20対戦車連隊のM10駆逐戦車が大活躍。Rauch戦闘団の装甲車、自走迫撃砲を次々に一発除去し、組織的な抵抗を粉砕した。

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結局、コマンド部隊は連絡道路Aの打通ならず、ドイツ軍勝利となった。海岸縁のWn21陣地は、写真では制圧されているものの、あと1損耗打撃をくらえば除去、という所で生き残ったのだ。コマンド部隊がいる陣地周辺ヘクスにはドイツ軍の地雷原があり、そこから飛び出してWn21を強襲するには、地雷原脱出チェックに成功せねばならず、これに失敗するユニットが続出し、全力では攻めきれなかった。

ちなみに艦砲射撃は、戦艦2、モニター艦1、巡洋艦4、駆逐艦3と豊富にあったものの、一番強力な戦艦とモニター艦に一度も無線が通じないという残念っぷりである。

たった2ターンのシナリオとは言え、やはり処理するチット枚数が多いため、十分な遊び応えがある。双方ともに複数指揮官を持つため、GTS2.0での独立ユニットの使い方(なるべく複数指揮官の指揮範囲にまたがるように配置する)を覚えるには良いと思う。地雷やコマンド部隊のルールも覚えられるし、今回は使わなかったが、後衛や対砲兵射撃もあり得るし、良い入門シナリオかと。